便秘の診断と治療基準について

医療における便秘の診断と薬の使い方について記述します。

けいれん性便秘

大腸の壁が痙攣するため腸が細くなり、便の流れがとても悪くなります。

・通常の人より敏感な腸を持つ方に起こります。
・精神的ストレス(不安緊張)の時に起こります。
・刺激性のある食物を食べた時に起こります。

痙攣性便秘

けいれん性便秘の治療において、消化器医の処方の実際は以下のように記されております。

1、第1選択薬剤で酸化マグネシウムと膨張性下剤(寒天、小麦ふすまなど水分で膨らむ)の併用をします。
2、必要に応じてけいれんを押さえる薬を使います。

神経の敏感な腸に刺激性下剤(お腹の痛くなる便秘薬)は良く効くが、下剤使用後にお腹が痛くなったり、便が出た後も後もすっきりしなく、治療としては悪循環となり好ましい治療ではないです。

しかん性便秘(腸がゆるく垂れさがった単純なタイプ)

流動食であったり、運動不足などで腹に圧力をかけること出来ずに、あまり症状が無い便秘症です。

・下剤や浣腸の乱用によって起こります。
・老人や無力な体質の人に起こります。
・病に臥したり、体が衰弱した時に起こります。
・旅行便秘とも言われます。
・妊娠、腹水、卵巣のう種などの腹部腫瘤、慢性肺疾患(肺気腫など)の時に起こります。
・うつ状態とか恐怖症などの精神的に負担のかかった時に起こります。
・多忙の時や、トイレがすぐに利用できない不便な状態が続く時に起こります。
・体の姿勢が適当でない状態が続く時に起こります。
・繊維の少ない食事が続く時に起こります。
・朝食をとらない習慣の人に起こります。
・特発性に起こることもあります。

弛緩性便秘

直腸に便を溜めているタイプの直腸性便秘

便意を無理に抑える習慣が続くと便意が起こりにくくなり、便は直腸にたまります。
しかん性便秘と混合の形も有ります。

直腸性便秘

しかん性便秘と直腸性便秘の治療において、消化器医の処方の実際は以下のように記されております。

1、酸化マグネシウムと膨張性下剤(寒天、小麦ふすまなど水分で膨らむ)の併用をします。
2、必要に応じて、水分を便に浸透させて軟らかくし、便を排出しやすくする界面活性剤の薬と併用します。
3、腸の動きが悪いために内容物が腸内に溜まり、腸が大きく膨らんでしまう機能性巨大結腸症の傾向にあるときはビタミンBや自律神経調整剤や消化器働きを改善する薬を併用します。
4、やむを得ないとき刺激性下剤(センナ・大黄)を使用しますが、連用は避けます。

※注意として
腎臓機能の落ちている患者さんへの酸化マグネシウムは使用しません。
腸が極端に狭くなっている狭窄患者さんへの膨張性(膨らむ)下剤の使用はしません。

以上3タイプの便秘の患者さんに対する医師の使用基準が有ります。

どんなタイプの便秘の患者さんにも、まずは腸内を水で洗い流すように、腸に刺激を与えないものを選ぶことです。
お腹の痛くなる大腸刺激性下剤のセンナやダイオウはやむをえない時に使用します。
そして連用は避けることです。

(参考文献・薬物療法の実際 第3版 山村雄一、織田敏次、五島雄一郎、清水喜八郎)

この4人の医師は日本消化器学の草分け的な偉い医学教授です。

成分が同じであるにもかかわらず、銘柄を変えて市販品を服用し続けたり、不定期な便秘に悩まされないため受診時に便秘薬の処方を受けて予防のために飲んだり、また、習慣的に服用し続けることで徐々に大腸メラノーシス(大腸黒皮症)になります。

大腸刺激性下剤(センナ、ダイオウ)を安易に連用しないで、酸化マグネシウム等の浸透圧性下剤(水で流す様な作用)に切り変えることが大切です。

医療では新しいタイプの便秘薬(アミティーザという薬剤で、酸化マグネシウムに似た作用で小腸を刺激するタイプ)も使われ始めておりますが、ここではあくまでも生活学習の範囲内で記述します。

 

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