漢方薬の効きめも腸内細菌しだい

配糖体というものについて

植物に含まれる成分の中に糖という物質と糖以外の薬的物質が、くっついている状態の総称を配糖体と言います。

植物が糖でない部分の薬物質を糖と結び付けているのは、薬的物質だけでは水に溶けないのを、糖と結びつけることによって水に溶けやすく吸収を容易にすることにあります。

配糖体の中にサポニンと言う構造体がありますが、水に馴染む糖の部分と、糖以外(薬物質=アグリコン)の部分は油のような状態で、その水と油の中和の役目をする作用があり、洗浄剤のように泡立つのです。

漢方薬という生薬の薬成分に糖がくっ付いていると思っていただければ良いのですが、しかしこのくっ付いている糖の部分を外すことにより、薬としての効能が上がる研究があります。

昭和薬科大学病態科学教室教授 田代眞一 先生
https://www.kampo-s.jp/support/fukuyaku/qa/qa/011.htm

腸内環境の良い人は漢方薬はよく効く

漢方薬が腸内に辿り着いた時に常在菌が多く、しかも元気で発酵能力が高い人は漢方薬はよく効くのです。
漢方薬の便秘薬成分に使用される大黄、センナの実や葉があります。

このセンナの実や葉の原型はやはり配糖体といって、薬成分に糖がくっ付いた配糖体なのです。
センナといえば便秘薬、だから便秘の時にはセンナの薬を飲むのことに何の疑いもありません。

センナが効くまでには腸内細菌の力も一助になります。

プルゼニド、センナ、ダイオウの成分センノシドに結合しているブドウ糖が、腸内細菌(Bifidobacteriumの中のsp.SENと名付けられた種のみ)由来のβーグルコシダーゼにより切断され、セニジンに変わる。

セニジンは還元酵素によりレインアンスロンに還元されて細胞膜の透過性が高くなる。
大腸壁を刺激することで蠕動運動を促進し瀉下効果をもたらす。

腸内細菌の酵素の力で、薬成分と糖が切り離されて漢方薬は効きはじめます。
また、ラキソベロン(ピコスルファートN)の効き方も特異的です。
大腸細菌叢が乱れている時には効くが、バランスが整うとセンナの方が逆に効くようになる。
生薬のような配糖体の形の大腸刺激性下剤は、腸内細菌の酵素力を使って下剤効力を引き出しているのです。
長期にわたる便秘症の人ですと、お腹の中の常在菌のバランスが良くないと考えられますので、生薬の便秘薬は効いたり効かなかったり、また長期にまたは増量しがちになります。
こういう大腸刺激性下剤は一週間以内の使用が望ましいと考えられます。
便通をつけるために、腸内細菌の活動状態に頼らなければならない便秘薬より、腸内細菌に頼らず腸管内の流動性を高める酸化マグネシウムの浸透圧性、非刺激性下剤をまず一番に使用したいものです。

常在菌が漢方を効かせる理屈はある

漢方薬の多くは 腸内細菌によって効き目が現れるものが多い(DDS)。
実態のない臓器が東洋医学の陰陽五行にあります。
三焦(さんしょう)という実体のない腑があり上焦中焦下焦分かれているようです。
三焦が表なら裏に心包(しんぽう)という、また実体のない臓器があるようです。
三焦の力を上から摂り込む力、巡らす力、出す力として体を支えているようです。
この三つの力を支えている臓器として、腸内細菌のパワーが支えているような気がして仕方がありません。
腸内細菌が作り出す有機酸(短鎖脂肪酸)が非臓器ではあるが三焦の力を補佐していると思われて仕方がありません。

🔴臓器ではないが三焦の上中下の力は、
摂り込む力、巡らす力、出す力として体を支えている。
それは腸内細菌が作り出す有機酸(短鎖脂肪酸)こそが原動力です。

この上中下の消化管のパワーは常在菌の力によって左右されると言っても過言ではないでしょうか。
腸内細菌が三焦をコントロールしているのではないだろうか。
五臓六腑はやめて六蔵六腑として、腸内環境説を取り込んで健康学を推し進めていことが良いのではないでしょうか
中医学が辿り着けなかった唯一の理論は、常在菌と言う微生物の存在の力を把握できなかったことではないでしょうか。
実体のない学説を論じることより、漢方を効かせるためには常在菌の増殖と活性化を導くことがより近代的と思われます。
漢方薬を処方する人は証が合ってるはずの漢方薬が効かないとか、慢性病で使用する漢方薬に効果が出難いとか言われます。
しかし、最近では漢方処方と併せて少しづつ、腸内環境を改善する機能食や、ビタミンやミネラルを補充することが多くなってきております。
そうすることで
・腸内を発酵環境にすることで漢方の効き目が良くなった。
・緑のものやタンパク質、アミノ酸を追加すると効果が目に見えて発現することも多くなっております。
常在菌を育てる機能食品と漢方を併用すことで目的が達せられることは間違いないです。
常在菌の働きを監視できない漢方療法は、無駄な出費といっても過言ではない様な気がします。
常在菌と腸内環境の関係を研究してきた答えが、困ったときは微生物の力を借りることに尽きることでした。

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