腸内細菌と大腸ガンの予防

エリートなビフィズス菌だって怖いこともある

腸内細菌の一部が大腸ガンに関わりを持っている菌もあるのではないかと思っている人もいるかもしれません。
腸内細菌は腸内環境や偏食により、同じ細菌でも良い働きをする反面、悪い働きをする面も併せ持っているのです。

びっくりする話ですが、あのビフィズス菌でさえガン発生に関わることがあるのです。
脂肪食を消化するのに胆汁酸と二次胆汁酸がありますが、ビフィズス菌は腸内の環境やpHなどのある種の条件が揃った時、二次胆汁酸を発ガンプロモーターに変化させてしまうことがわかっています。

高脂肪食→胆汁酸→ビフイズス菌→二次胆汁酸→ガンの引き金(S字結腸あたり)という関係を考えると、高脂肪食もほとほどにした方が良いことになる。

赤肉や高脂肪のものを好み、食べ続けている人がいたとします。そして健康のためにビフィズス菌は良い菌だからと言ってビフィズス菌サプリメントを摂り続けると、好ましくないことになり得ることもあるということです。

腸内細菌に悪い菌はいないという考えが良い

腸内細菌は体に住み着いていて人間と共生しているわけですが、腸内細菌は決して人に悪さをするものではないのです。
人の消化できないものをいただき、人のために腸内が環境の整えて恩返しをしてくれています。
ただ都合がいいから人に住み着いているわけではないのです。

そして腸内に住んでる菌を善玉菌とか悪玉菌に分けることさえ、人間の勝手なのです。
腸内細菌はその人と何十年も一緒に生活し、体を守ってくれているのです。

通常、悪い菌に分類しているウエルシュ菌、緑膿菌、レンサ球菌、カンジタ菌、その他の球菌だって人が好ましくない生活を続けた時、増殖して人にイエローカードやレッドカードとして不都合な症状を表面化させて「生活を整えよ!」と叫んでいるのです。

腸内が心地悪ければ、悪玉菌ネッワークと読んで、快適な便で毎日元気があるときは善玉ネットワークで腸内細菌叢が形成されているということです。

腸内細菌は大腸ガンを予防する

腸内細菌(微生物)は人類にとてつもなく貢献していてくれます。
科学者が困った時に微生物の力を借りることがありまが、色々な研究や新規物質の発見に微生物に頼ることが大きいわけです。

さて、腸内細菌がガンを発生や促進をさせる物質を生み出すことを記述しましたが、一方ではガンの発生を抑えたり、予防する力にもなっています。

腸内細菌そのものが直接ガンに関わるわけではなく、細菌の持つ酵素が作る発酵物質に大きな恩恵を得るのです。

胃や小腸で消化されにくい食物センイや難消化デンプンが、腸内細菌の酵素で発酵されて腸内がの酸性度が高まるのが良いわけです。
このような状態がガンを抑える因子を増やしたり、発がん物質を押さえ込んだり、またガンを促進する酵素の働きを弱めることにつながっていくのです。

その最大の立役者になるのが、発酵物質の一つに酪酸という短鎖脂肪酸です。この酪酸がガンの予防や大腸細胞の栄養としてに大きく関わることになるのです。

15%〜20%くらいのセルロースが含まれる食物繊維が、センイ分解菌によりオリゴ糖が作られ、そのオリゴ糖をビフィズス菌が分解してまた他の菌が利用する。
このような食物連鎖が起きて各菌が相互に活性増殖をしながら好循環が生まれ、各種短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸ほか)が生成される環境となります。

大腸ガン予防の仕組みがお解りいただけると思います。

ご飯もガンの予防にひと役買う

食物繊維やオリゴ糖は大切だという論調はよく見るが、腸内細菌叢にはもう一点欠かせない食品素材の歴史があります。
それは日本人の主食のお米です。

このお米の消費量が落ちて西洋食に変わってきたところにも、大腸ガンが増えてきたという論調は見逃すことはできません。
巷では「肉食が増えて食物繊維が減ってパン食になってきている」だから腸内細菌叢では悪玉菌が増えて便が臭くなったり、ひいてはガンになりやすいということは言われています。

健康情報では極端な表現が横行することもありますが、西欧人は肉食も多いですが、これが思っていた以上に野菜の摂取が多いのです。
それなりにバランスはいいということです。

さて、日本人の主食のコメは大腸ガンの予防に貢献していることを記述しよう。
お米の中にはアミロースという繊維が入っていることをご存知でしたか。
ご飯は炊きたてのご飯やお餅を除けば冷えているときは繊維質のアミロースの量が増えることをご存知でしたか。またブランド米より昔の古い品種の方がアミロースが多いのです。

もうお判り思いますが、このお米のアミロースも人の消化酵素で分解されずに大腸に届くと、腸内細菌の餌になり、腸内細菌酵素でプロピオン酸や酪酸の短鎖脂肪酸を大量に作るのです。

もう詳細に解説しなくともお判りになると思いますが、お米のアミロースは難消化性のデンプンで腸内細菌の大好物の一つなのです。

腸内細菌を育てるものをプレバイオティクスと言いますが、花形は食物繊維、オリゴ糖ですが日本人の主食のお米(難消化性デンプンという素材)が日本人の健康を守ってきたことを理解していただきたいのです。
戦後の日本の成長期にはお米が主食で大腸ガンも低かったのです。

理由があって糖質制限でご飯まで絶たなければいけない人を除いて、お米はこれからも主食の座を譲らないでほしいと考えています。

コンビニで
「おにぎりは温めますか ? 」
「いえ、結構です ! 」
これが難消化性デンプンを摂る技です。

難消化性デンプンを食べて腸内細菌を育てましょう。