潰瘍性大腸炎をのりきろう

潰瘍性大腸炎とは

大腸に炎症が起きる「潰瘍性大腸炎」は国が定めた「指定難病」の1つで97という番号がついています。
今の所、発症原因は解っておりませんが「免疫のシステムの異常」が原因していると考えられています。

大腸の粘膜に炎症が出てただれると、激しい下痢血便などが現れて強い腹痛発熱などを伴うときもあります。
炎症が起きて症状が強い時は「活動期」と言い、症状が治まっている「寛解期」があり、完治する人もいますが繰り返して症状が現れることもあります。

潰瘍性大腸炎の部位別発症はおおよそ下図のようです。

参照先
http://www.mochida.co.jp/believeucan/learn/

現在、日本には、約20万人前後の潰瘍性大腸炎の患者さんがおりますが、なぜか年々増えているようです。
この病気は若い人から高齢者まで発症しますが、主な発症年齢は男性では20~25歳くらいで女性では25~30歳の年代の方が発症率が高いようです。

60歳を過ぎた著名な方も罹患しているように、最近では40代以降でも発症する事例が見受けられます。
重症度の度合いから見て「軽症~中等症」が90%くらいで、重症になる患者さんは1割くらいと言われています。

重症になると大腸を全て摘出して人工肛門を装着しなければならないことになります。
大腸が無くなって腹壁に造られた便の排泄口のことを人工肛門といいます。

そして人工肛門のことをストーマといい、このストーマを装着している人のことを『オストメイト』と呼びます。
公衆トイレでもオストメイト利用可能な表示があるトイレも徐々に増えてきました。

潰瘍性大腸炎の薬物治療が進んでいますが、良くなっり悪化したりを繰り返すことが多いようです。
そんな中にも完治を目指す方への一つの情報として記述します。

潰瘍性大腸炎の治療について

軽症及び中等症例の治療(内服薬や点滴薬など)について
おおよそについて記述します。

1、サラゾスルファピリジン(SASP)剤
この薬は抗炎症作用を持つアミノサリチル酸(5-ASA)と抗菌作用を持つするスルファピリジン(SP)結合させた薬です。この薬が途中で分解されることなく大腸まで届き、腸内細菌の酵素(アゾリダクターゼ酵素)によりこの2成分が切り離されて薬の効果が発揮されます。
ですから、腸内細菌が健全で活力があるときに、この薬を服用する軽症者の人は治りやすいかもしれません。
しかし、分離された成分のスルファピリジン(SP)のせいで薬物アレルギー、頭痛、吐き気などが出る場合もあるので監視が必要です。

2、メサラジン剤
この系統にはペンタサ、アサコール、リアルダという名の薬がよく処方されています。
サラゾスルファピリジSP)剤であまり効果がなかったとや、更に副腎皮質ステロイド薬などを併用して使うときにこのメサラジン剤が使われるようです。

だが副腎皮質ステロイド薬に依存しすぎの時は更に免疫調節薬の使用も考えるようです。
すなわち、ステロイド薬で効果が出なくなった状態です。

3、免疫調節薬(点滴薬など)
a、TNFα阻害薬(炎症を引き起こす物質=サイトカインという)を抑える薬。
レミケード、ヒュミラ、エンブレル、シンポニー、シムジアなどが使用されている。
b、免疫抑制薬(免疫反応で中心的な役割をする細胞の異常な産生を抑える薬)
アザニン、イムランなどが使用されている。

重症例の治療(大腸切除、人工肛門)

内科的治療で改善がなく症状の悪化がみられる場合、大腸一部または全部を手術等で切除をすることになります。
最近は技術の進歩により肛門を残すことができるようになり術後のQOLも向上しています。

重症例では脱水、低カリウム血症、貧血、栄養障害などを監視しなければ命にも関わるため入院治療をすることになることもあります。

医療の現状はwebで色々検索しますと詳しく載っていますので参考にしてください。

セルフメディケーションのおはなし

常在菌の発酵こそ強い大腸を作る要であることを知っていただきたいものです。
ここに記述することは潰瘍性大腸炎にかからないようにすることと、もし罹ったとしても軽傷の状態なら自己治療で快方に向かうことが可能な場合もあります。

まず第一に挙げたいこととして大腸粘膜が炎症を起こしてただれることは、常在菌の発酵から得られる有機酸(短鎖脂肪酸)の恩恵を得ていなかったと考えられます。

a、発酵の条件であるプレバイオティクス(食物センイ水溶性と不溶性、難消化性デンプン、オリゴ糖などの常在菌のえさ)で常在菌の繁殖と活動力を上げて、腸内細菌叢の生態系を整えることが一番大切なことです。

常在菌の繁殖と活動力こそ多くの疾患の完治や予防へ導く基盤があることを知っていただきたいものです。
医学が進む中において体内に常在する微生物の生態系を理解することでもっと治療の成果が高まることでしょう。

b、発酵から連鎖的に得られるさらに重要なものは、短鎖脂肪酸(有機酸ともいう)という有益な生成物の存在です。
短鎖脂肪酸の種類とその働きについて前述しましたので参考にしてください。

短鎖脂肪酸の体へのはたらき
https://blog.darm.co.jp/2017/11/14/
短鎖脂肪酸の種類と量について
https://blog.darm.co.jp/2017/11/13/
常在菌がつくる『短鎖脂肪酸』のはなし
https://blog.darm.co.jp/2017/10/28/

これら三つの投稿の中から知識、知恵として日常生活を振り返る機会になれば良いと思います。

イラスト外の情報も少し記述します。

1、盲腸より先の大腸にかけては常在菌の発酵が活発にならなければなりません。

2、発酵はビタミンを作ります。
ビタミンK、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ビタミンB2、B6、B12が作られている。
止血するもの、肝臓に良いもの、肌に良いもの、エネルギーになるもの、血液を作る材料などで、全て腸を健全に維持するために欠かせないものばかりなのです。
潰瘍性大腸炎の薬は抗菌剤、抗炎症剤などの使用で常在菌の生態系が崩れて、ビタミン類の生成が衰えたりします。

3、発酵はミネラル類をイオン化(噴霧様)して吸収をしやすくするのです。
食事で小魚食品や牛乳をとった時、腸内がよく発酵している人は、カルシウムがよく摂れて骨粗鬆症にはかからないのです。

4、大腸は体の外(体表)と同じで弱酸性(pHも6.0〜6.8くらいが良い)に保ってこそ、殺菌力が整うのです。
弱酸性化粧品が肌に良いということもよく聞かれます。
腸内は内蔵ではなく皮膚なのです。一本のちくわを思い描くと解りますが中(腸粘膜)は外、外(体表)が中の理屈がわかると思います。

5、潰瘍性大腸炎は度々出血するので治りにくいものなのです。
常在菌の発酵力で弱酸性に維持して腸の粘膜を正常に保ちたいところへ、弱アルカリの血液が腸内に出血すると常在菌の活動は停滞します。
常在菌は発酵により弱酸性に保とうとしていることが報われず悪化の一途を辿るのです。

6、常在菌のバランスが悪く、活発に発酵できなくなる環境はとても問題なことなのです。
短鎖脂肪酸が作られていないと言うことが、水様性の便が続き大腸内への水分を腸に引き込むことができないことにつながるのです。

酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸はナトリウムと多量の水の吸引の援護をするため、下痢症状を改善するのです。
短鎖脂肪酸を大腸内で作ることの大切さを知っていただきたいものです。
参考「朝倉書店1990、腸内細菌学、電解質と水の吸収 315ページ」

7、免疫の暴走を防ぐ免疫抑制薬が使われる時代ですが、長期間使用すると効かなくなるケースもあると言われています。
ここで免疫抑制薬に匹敵する腸内のメカニズムについて記述します。
通常免疫の暴走をしないように監視してくれている免疫の要のT細胞の一つにT-reg(ティー、レグ)細胞と言うものがあります。
このT-reg細胞が育つことで腸内の炎症が抑えられるということなのです。
そしてこのT-reg細胞を育てる栄養となるのが腸内細菌が作る「酪酸」という短鎖脂肪酸なのです。
この研究は多くの免疫研究で確認されておりますので、セルフケアとして腸内に酪酸を沢山増やす食事に心がけること勧めます。(T-regと免疫調整に関する研究発表はweb上でも見られます。)

8、短鎖脂肪酸の中に少ないけれど吉草酸という脂肪酸をも作っています。
潰瘍性大腸炎の重症の時に使う薬で副腎皮質ホルモンがありますが、その成分の中に吉草酸という物質もあるわけです。
酪酸の生成により、腸内の炎症状態を抑える吉草酸として繋がっていけばとてもいいことです。

9、腸の粘膜を常に新しく作り変え、そして便を押し出す蠕動運動も短鎖脂肪酸の力です。

!0、治療上、常在菌の発酵は潰瘍性大腸炎の治療に支障をきたすと言う考え方も耳にしたことがありますが、本当のところを見聞きしたわけでもないので記述は差し控えたいと思います。

 

腸内事情を把握した上でセルフメディケーションを行うとき、知識や知恵が生活の中でまだまだ沢山あると思います。

研究者の研究成果の中に常在菌を育てるために、腸のどの辺りの、どの菌が、どんなものを餌に増殖するという研究にあるように、研究に基づいて調合した健康食品などを手に取ることができるならセルフの幅は広がると思われます。

外から乳酸菌やビフィズス菌を意識して取る必要性も不要と考えます。
あなたにずっと住み着いている菌が増殖して元気になることが一番自然で安全なことなのです。

例えばビフィズス菌を摂りすぎると胆汁酸が二次胆汁酸に変わる率が高まり、発ガン因子を作ってしまうことになります。
また、腸球菌(エンテロコッカスフェカリス、フェシウムなど)を摂り続けると飽和脂肪酸がヒマシ油となって慢性的に下痢につながることもあるわけです。

「センイがいい」と聞けばセンイばかり取りすぎて便秘気味になり、「オリゴ糖がビフィズス菌にいい」と聞けばオリゴ糖を取りすぎてビフィズス菌ばかりが増えすぎて腸内細菌叢のバランスが乱れて軟便、下痢様便が続きます。
「難消化性デンプンがいい」といえば過剰にとって栄養吸収阻害になり痩せたりもします。

食物センイ(水溶性、不溶性)、難消化性デンプン、オリゴ糖はバランスよく摂取する。
食事でバランスを取れれば越したことはありません。

常在菌たちの栄養素について
https://blog.darm.co.jp/2018/09/03/

もう一つ大切なこととしてお砂糖を使った甘いもの、人工甘味料、食品添加物は常在菌の働きを障害しますので取りすぎに注意が必要です。

あなたに住み続けているあなた特有の常在菌は、あなたを健康にする術をよく知っています。
だから、そんな素敵な常在菌のために生活を見直し、少し休養して腸を愛し続けてください。